日本消化器がん検診学会関東甲信越支部
支部長 小田 丈二
令和4年4月吉日
ご挨拶
令和4年4月より歴史ある日本消化器がん検診学会関東甲信越支部 支部長に就任いたしました、東京都がん検診センター 消化器内科 小田丈二と申します。関東甲信越地方会の設立から現在に至るまで、歴代の諸先輩方が消化器がん検診の発展にご尽力されてきた、数々の輝かしい業績を鑑みますと、今更ながら支部長としての責任の重さに身が引き締まる思いです。
関東甲信越地方会は、1971年に、当時国立がんセンター集検部長であった市川平三郎先生が中心となり設立されました。50年以上も前のことになります。全国に先駆け、放射線部会、保健衛生部会、超音波部会を設立し、各々がそれぞれの分野における精度管理向上のための研究や検診の普及に力を注ぎ、定期機関誌である現在の『消化器検診Newsletter』による情報発信など、多くの事業を手掛けました。この関東甲信越地方会は、2013年には本学会のなかに組み込まれ、全国各支部の中でも最大の会員数を誇る関東甲信越支部となりました。
内視鏡検診という新しい取り組みも始まり、ますます検診事業を活性化しようとした矢先、2020年初めにはCOVID-19感染症による未曾有の全世界的な拡大を経験することとなり、これに伴い検診事業は一時中止に追い込まれたりもしました。学術集会や研究会、勉強会なども多大な影響を受けたものの、現在はWEBを活用して再開しておりますが、実技などライブの良さを取り戻すことも今後の課題であります。
我々はこれからもより良い検診を提供すべく努力を続ける必要があります。というのも依然として我が国の消化器がんによる死亡率は高く、多くの課題が残されているからです。この関東甲信越支部は、今後もこれまで以上に日本の消化器がん検診における中心的存在として様々な取り組みや活動を通して情報を発信していく必要があります。そのためにも消化器がん検診に関わるすべての職種の皆様、医師、診療放射線技師、臨床検査技師、保健師、看護師、事務職や行政の方々とより強い連携、交流を深めていく必要があります。その上で精度の高い検診を目指すべく努力していくつもりです。会員の皆様が活動しやすい場を提供できるよう、微力ではございますが尽力致します。まだまだ若輩者で、皆様のご協力なくして支部の運営は成り立ちません。忌憚ないご意見を頂きながら、今後もご指導ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。消化器がん検診学会関東甲信越支部のさらなる発展を祈念しながら支部長就任の挨拶とさせて頂きます。